インビザラインによるマウスピース矯正では、「クリンチェック」と呼ばれるシステムを使います。それが一体何を意味するのかよくわからないという方がほとんどだと思います。今回はそんなインビザラインのクリンチェックについて、わかりやすく解説します。

 

○クリンチェックとは？

 

クリンチェックとは、インビザラインでデジタルシミュレーションを行う時に使う専用ソフトです。口腔内スキャナーで読み取った歯列の情報をデータとして取り込み、それを使って歯の移動をシミュレーションします。今現在の患者さんの歯の状態から治療のゴール地点までの歯列の変化を3Dアニメーションでみることが可能です。その画像・映像を見たら、おそらく皆さんもびっくりされることでしょう。

 

○従来の矯正治療との違いは？

 

従来の矯正治療では、シリコーン印象材で歯型を採って石膏模型を作り、それを使って今後の治療の説明を行っていました。当然ですが石膏模型は今現在の患者さんのお口の状態であり、矯正によって歯がどのように動くのかは口頭でなければ伝えられません。それだと矯正へのモチベーションもなかなか上がりませんよね。

 

クリンチェックを使ったデジタルシミュレーションでは、CGアニメーションのような形で矯正のプロセスが可視化されるため、言葉による説明はほとんどいらなくなります。例えば八重歯がどのようにして正常な位置へと移動していくのか、周りの歯の動きも含めて視覚的に確認できるのです。もちろん、クリンチェックの結果をお見せする際には歯科医師による説明も行いますが、模型を使った治療説明とは理解度に雲泥の差が生じることでしょう。

 

○矯正を受けるかどうかの判断材料にもなる

 

歯列矯正を始めようか迷っている人は、まずインビザラインのカウンセリングおよびクリンチェックを受けてみると良いでしょう。クリンチェックはあくまでデジタルシミュレーションであり、治療の検討材料のひとつでしかないため、それを受けたからと言って治療を始めなければならないということにはなりません。クリンチェックの結果を見て、矯正をしなくても良いかもしれないと感じたら、実際の治療に進む必要はないのです。当院でもクリンチェックまで受けて、歯列矯正を行わなかった患者さんはいらっしゃいます。

 

○クリンチェックの注意点

 

繰り返しになりますがクリンチェックはあくまで“シミュレーション”です。その結果がそのまま数年後の歯列の状態に反映されるわけではありませんのでご注意ください。治療を始める際には歯科医師による修正などが加わりますし、歯や顎の骨の状態、マウスピース矯正の装着状況によって仕上がりもシミュレーションとは変わってくることが多いです。その点も理解した上でインビザラインのクリンチェックを受けることが大切です。

 

▼まとめ

 

今回は、インビザラインのクリンチェックについて解説しました。クリンチェックは、インビザライン矯正のデジタルシミュレーションソフトで、歯の移動プロセスを3Dアニメーションで確認することが可能です。当院でもクリンチェックによるデジタルシミュレーションを実施しておりますので、関心のある方はいつでもお気軽にご連絡ください。自分の歯を内側や後ろ側から見る機会というのは滅多にないため、それをチェックするだけでも有意義と言えます。